第16回ノート展 結果発表

年齢や国籍はもちろん、プロもアマも関係なく、すべてのイラストレーションが同一線上で審査される誌上コンペティション『ノート展』。今回は独創的なブックデザインで知られるコズフィッシュ代表、祖父江 慎氏が審査員を務めてくれた。はたして、どのような作品が選ばれたのだろうか。ここに受賞作品を紹介する。
※審査の詳細はイラストノート34号本誌を御覧ください。

【大賞】中上あゆみ

【講評】 すごいね、これは! 小さめの印刷では伝わらないかもしれないけど、ひとつひとつの植物が全て丁寧に描かれています。こういったモチーフの絵はついつい単調な作業になり、味わいがなくなりがちですが、この絵は違いますね。怖いくらいの丁寧さで描かれていて身震いしそうです。見る側を静かに圧倒してきますね。しかも、どこをどう切っても成り立ちそうです。この絵をどう使うのかで、デザイナーの腕が試されそうな挑戦的なイラストですね。文句なしに大賞ですね。

【大賞】谷端 実

【講評】 強い! うまい! 一度見たら忘れられない記憶にくい込むイラストですね! 明快でまっすぐなパワーも気持ちいいです。見られることを意識して描かれているようなので、見ていても気持ちがいいです。正義の味方じゃなくて、悪者っぽいのもステキですし、暗い色を使ってるのに、ぜんぜん暗い仕上がりにならないのもすばらしいですね。PR力の必要な広告にもむいてますね。画力、ありありですね。編集長、大賞がふたりも出ちゃいました。ごめんなさいね。

【準大賞】沖野 愛

【講評】 小さな官製ハガキに描かれた作品です。なのに、人物の一人ひとりから食堂の中の様子はもちろん、ショーウィンドウの料理見本まで細かく描かれていて見ていてあきないです。迷いのない筆づかいも素晴らしいですね。見てると幸せな気持ちになってきます。下描きとかは、してないんじゃないかしら? お持ち帰りしたくなりましたよ。

【入選】三浦由美子

【講評】 見る人の気持ちとつながってくるイラストですね。鮮やかな色づかいなのに、空気や時間もよく描けてます。絵の向こう側で、もうひとつ別の物語も動いてるような不思議な気持ちになりました。

【入選】上原仁美

【講評】 なぜか記憶に残りにくい静かなイラストレーションです。だけど、そのぶん気になって、もう一度会いたくなってしまいます。絵としての主張が慎ましいので、小説の装画などにも向いていそうですね。独特の軽やかさがよかったです。

【入選】綱田康平

【講評】 まるで書道のような迷いのない、力強い線がすてきですね。デジタルなイラストが多くなった昨今、身体性のある気持ちいいラインを見てるとほっとします。特に時間のないときに、ぜひお仕事をお願いしたいです。

【入選】志佐なおこ

【講評】 印刷では表現しにくいですが、色のセンスが抜群です。眼の覚めるような独特で強い世界観もありますね。まだまだ伸びる方だと思いますので、ここに留まらず新たな絵に挑戦し続けてほしいです!

【編集部賞】立川恵一

【講評】 愛すべき日用品のメタモルフォーゼですね。デジタルで存在しそうな生き物をアナログな手法でうまく定着させています。色づかいもペイルトーンで気持ちがいいです。連作で出展されていて、どれも同様の世界観を持たせていたので、雑誌のエッセイのカットなど複数の依頼にも耐えると思いました。

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